相談員コラム
健康診断やストレスチェックを活用した健康管理活動
―保健師ができること その1―
相談員 高清水 幸美
「毎年実施している健康診断や、ストレスチェック、どのように活用したら、従業員にとっても事業所にとっても、支援する私たちにとっても有意義になるのだろうか?」日々、自問自答しながら奮闘しています。
担当して間もない事業所では、「顔と名前がわからない」、「保健師の存在が知られていない」など、課題が多くあげられました。そこで、健康への関心が高まり、全員と会えるチャンスの健康診断の当日を活用していくことにしました。集合健診を実施しているA社、B社の取り組み例をご紹介します。
○健診のメイン会場に健康情報を掲示、待合時間の冊子提供で、健康啓発を行ったA社
「健康診断結果の見方」というタイトルで作成し、保健師紹介も盛り込んだパワーポイント教材を作成しました。事業所の担当者に相談すると、一枚づつカラー印刷し加工してメイン会場に掲示してくれました。そのほか、セットで冊子にしてくださり、待合で回覧できるように工夫してくださいました。
保健師は、メイン会場で事前配布の問診票(保健師作成)を回収するコーナーを確保し、名前の声掛けをしながら回収しました。
○健診の流れに保健師コーナーを設けて、全員面接を実施したB社
保健師のいる医務室前をメイン会場にしてもらい、受付前に医務室を通るように工夫しました。
保健師が作成した問診票(健康情報、健康づくり取組状況、希望相談の有無など)を事前に健診キットと一緒に配布していただき当日回収。問診票を使って5分前後の面談を行いました。(従来よりコロナ対策として移動式のクリアパーテーションを利用)希望相談のある方は、別日設定で対応しました。
ご紹介した事業所では、保健師に声をかけてくれる従業員が増えた印象があります。回収した問診票や面談での情報から、早めに対応が必要な方の優先順位をつけて対応できました。いづれも、事業所の実情にあった工夫やしくみが必要です。
皆さんは、どのような取り組み、工夫をされておりますか?
「産業看護職の広場」が情報共有の場になりましたら幸いです。